海の中にいるときって、半分死んでるじゃないですか。(なっちゃん)

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_DSC5017 01:小笠原ユースホステル ヘルパー

なっちゃん

 

25時間の航海を経て、僕たちが最初に会った小笠原の人。それが「なっちゃん」。小笠原ユースホステルで働く「ヘルパーさん」です。ヘルパーとは、寝床とご飯を提供してもらう代わりにボランティアに近いかたちで、ご飯をつくったり、掃除をしたりする仕事。船を降りたとき、「小笠原ユースホステル」の看板を持って出迎えてくれたのも、なっちゃんでした。想像していたより白い肌、そのとき、僕がそう思ったのも当然で、小笠原に来て今はまだ1ヶ月。

「小笠原のユースは特殊」と言われています。その理由は、宿泊していない人や現地の人を含むたくさんの人が、毎日気軽に共有スペースに集まる居心地のよさ。それは、いつも僕たちが暮らしているシェアハウスと同じ空気感。そこには、オーナーの人柄はもちろんですが、なっちゃんのようなヘルパーさんが、ある意味では同じ旅人として、僕たちと同じ目線で小笠原を教えてくれるからだと思いました。

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「海の中にいるときって、半分死んでるじゃないですか。」そう話すなっちゃんは、大学生の頃はじめて小笠原に来たという。そのとき、その海に溶け込むような心地よさに感動したそう。「内地にいると、人が世の中を動かしてる気がするけど、小笠原にいると、自然に合わせて世の中が動いているのが目に見える。」それから、栄養士になり、有名ケーキ店で4年半の修行を積みながらも、毎日小笠原を想い続けたという。   勤めていたお店のように「人が集まる場所をつくりたい」という想いを強くしたなっちゃんは、小笠原の宿の中でも、とくに人との距離が近く、色々な人と接することもできるユースにやってきた。ヘルパーとして大切にしていることを聞くと「自分からしゃべることが大事やと思います。あとは、自分がいちばん楽しんで、楽しそうにしていること。宿は泊まるところやけど、それ以外の何かが重要やと思うから。」と答えてくれました。

「小笠原でいちばん好きなのは釣り浜。テーブルサンゴがあって、魚がむっちゃおって、ほんまに竜宮城みたいやと思った!」小笠原にいる楽しさを、誰よりも楽しそうに教えてくれる「なっちゃん」に、ぜひ会いに行ってみてください。

小笠原ユースホステル  http://oyh.jp/
_DSC5103   (ライター:志賀章人)