父島のこだわりパン屋さん

小笠原でやりたかったコトその2 〜パン屋巡り〜

パンが好きで、不定期に関東近郊のパン屋を巡っている。
今回の旅行で南国の気候の中、普段食べているパンとどこか違いがあるのか、どんな地元パンがあるのか興味がありパン屋を巡ることにした。
巡るといっても、現在父島にあるパン屋は全部で3店舗。
父島の中で一番栄えている大村地区から山側へ進み清瀬西のバス停が最寄りの【ローカルベーカリー】、父島メインストリート・湾岸通りの1本裏側にある【たまな】と【TOMATON】だ。

ローベ 1

 

まず最初に行ったのは【ローカルベーカリー】。

ここは使用する小麦・水・バターなどにこだわっているパン屋。お店の中に1歩足を踏み入れると久しぶりのパンの匂いにまずテンションが上がる。丸く焼いたフランスパン生地を使用している商品が多く、サンド系や様々なクリームを挟んだパンなどが20〜30種類ほど並んでいる。やはり小笠原食材を使用したパンが食べたいと思い、パッション&オレンジパン、島レモングラス&はちみつロールパン、お土産としても人気のラスクなどを購入。早速食べてみて、個人的には小笠原月桃(小笠原に自生するショウガ科の植物)入りジンジャーはちみつパンの爽やかなショウガ風味と甘いはちみつのバランスが絶妙で美味しかった。

ローベ 2ローベ 3

 

また、パンの魅力はもちろんだが、接客してくれた奥さんがとても印象に残った。訪れた日はちょうど『おがさわら丸』出港日で、パンを求めて来る人が次から次へと絶えず来店し行列ができていた。対応で大忙しなのだが、お客さんみんなに声を掛け会話も楽しんでいる。来る人みんな知り合いという温かい空気感に包まれていて、島民の日常を垣間見た気がする。メインストリートから少し離れているが、島民に愛される人気店の理由が分かった。

ローベ 4

 

《ローカルベーカリーのこだわり》

・菓子パン、調理パン、ドーナツ、すべて水を1滴も入れず牛乳100%。

・フランスパン、食パンに使用している水は、父島の天然水(ミネラル豊富でまろやかな軟水)。

・小麦粉は数十種類と多種ある中から、厳選した高品質な小麦を使用(改良剤などを含まないもの)。

・すべてのパンにマーガリンは一切使用してない(マーガリンに多く含まれるトランス脂肪酸が健康を害すると言われているため)。

・ピュアバターとオーガニックココナツオイル(有機JAS認定)を使用。オーガニックココナツオイルには、トランス脂肪酸が一切含まれていない上、コレステロールもゼロ。添加物や保存料も一切含まない、健康的で安全な新鮮ピュアオイル。

 

たまな 2

 

次に訪れたのは【たまな】。

地元食材にこだわったお店で、自家栽培の野菜も使用している。開店時間はAM6:30。開店時間に合わせて向かってみるとお店の前には行列ができており、人気のほどがうかがえる。並んでいる人のほとんどが島民だと思うが、“たまなのパンで1日が始まる”という空気感だ。

心躍らせ順番を待ち中へ入ると、まだ数十種類パンも残っており一安心。商品POPには使用している食材やオススメコメントが添えられている。ここでは、島たまごを使ったクリームパンとりんごカスタードパン、チーズフランス、自家製パン粉を使用したカレーパンなどを購入。普段あまり甘いパンを買わないのだが、濃厚なクリームがたっぷり入ったクリームパンが美味しかった。

たまな 3たまな 1

 

開店から行列ができる人気店ではあるが、随時パンが焼き上がり次第追加してくれる。行列ができるほど人気のお店のパンを食べれるのは嬉しいところだが、一度に準備できる数は限られているので、あまり急がずにここは島時間の気持ちでいてほしい。売り切れご免…というのはとても残念なので、売れるパンと追加するパンのバランスを取るのは必要だと感じた。

たまな 4

 

《たまなのこだわり》

・パン・コーヒー・氷に浄水器の水を使用し安心安全。

・パンに使う野菜・たまごは小笠原食材を使用。

・無添加材料にこだわり、小麦粉はカナダ産小麦、塩は国内産平釜塩・小笠原の塩、バターはよつ葉バターを使用し、全商品マーガリンは使用していない。

・いつも美味しく食べていただきたいという思いから、仕込みは夜中1時頃から始まる。

・丁寧に粉から仕込む焼きたてのパン。新鮮なものをその日の内に作る調理パン。大量生産はできない味を楽しんでもらいたいという思いが込められている。

 

今回は残念ながら【TOMATON】が夏期休暇と重なってしまったため訪問できなかったが、島ドーナツで有名なお店でスイーツやジャムも豊富なので、お土産としても活用したいお店。

どのお店も1つ100円〜200円台で購入できるパンばかりで、都内に比べればだいぶ良心的。購入したパンを持って、浜辺や展望台など小笠原の景色とともにぜひとも楽しんでもらいたい。

個人的には、小港海岸、コペペ海岸でのんびりくつろぎながら、さざ波のBGMと両手にコーヒーとパン、そんな時間を過ごしたい。

 

ライター:高橋和香菜