小笠原が沖縄よりも魅力的だと思う象徴的なことのひとつに、「前浜(大村海岸)」の存在がある。
前浜とは、おがさわら丸が発着する漁港に隣接していて、小笠原の中心都市である大村地区のど真ん中にあるビーチ。沖縄・伊豆・フィリピンなどの海外にしても、そういう港のあるエリアはたいてい海が濁っている。島の反対側にあるビーチはもちろん綺麗なのだけれど。
小笠原は違う。反対側はもちろんだけど、港の海さえもエメラルドグリーンに輝いている。そして、海ガメが年間180匹も産卵のために上陸するようなビーチなのだ。
それと同じように、星が綺麗に見える場所はたいてい山の山頂のような灯りがまったくないような奥地であることが普通だけど、小笠原はその前浜というビーチでも、視界に入り切らないほどの満天の星空が広がっている。今だって天の川が見えているし、1時間で流れ星を3回見れた。
これは、小笠原でしか味わえない、生き物ではない天然記念物のひとつなのではないかと僕は思います。
ライター:志賀章人