島の「野ヤギ」は人間を見ると、すぐ逃げる。

小笠原には野ヤギがいる。はるか昔、人間が家畜として島に持ち込んだものの、戦時中、6000人を超える一斉強制疎開が行われた際、島に置いていく他なかったヤギたちはたくましくも野生化。固有種である植物を食い尽くし、山をまるごと禿げさせるほどに繁殖したそう。同じように野ネコも鳥たちに襲いかかる。もともとほ乳類といえばコウモリぐらいしかいなかったこの島には、彼らは突然現れた進撃の巨人。その彼らは現在、人の手によって駆除される対象にあり。彼らにとっては人間こそが巨人。

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人間こそが諸悪の根源とか、そういうことが言いたいのではなくて、人間は食物連鎖の頂点に立っていて揺るぎない状況に慣れてしまっているけれど、小笠原という地球上の島を、宇宙上の小さな地球と置き換えると、何が起きるかわからないような、そんな気がしてちょっと怖くなってしまったのでした。