出発の日。郵送されてきたチケットには「9時」に竹芝に集合と書いてあるが、本当は9時30分が集合時間。出港時刻は10時だけどギリギリ5分前でもなんとかなりそうな緩い雰囲気(責任は持てませんが)。
ここで注意したいのが1等や特2等はともかく、グループで2等に乗る場合。ふつうの船の雑魚寝とは違い、2等船室とはいえ指定席となるので、乗り込むときには全員集合しておかないと25時間のあいだ離れ離れに過ごすことになる。
さて、船に乗り込んだあとの過ごしかただが、「おがさわら丸」は確かに大きい。船というより、船に乗るための待合室にいる気がするほど。ビールは240円、カップ麺は180円、ハーゲンダッツも300円で売っている。ファミレスみたいな食堂もあり800円ほどで丼ものなどが食べられる。すべてが良心的な値段だし、不自由はない。
他にも、トイレも清潔でウォシュレットまでついているし、シャワールームも無料。テレビもBS放送なら見れるし、個室のビデオルームまである。机や椅子も、ところどころに設置されているが、競争率はそれなりに高いので注意が必要だ。
14時30分から「小笠原を120%楽しむための船内レクチャー」なるものがあり、知識なしでも小笠原の基本情報や裏話を教えてくれる。これは聞いておくことをおすすめする。翌朝の9時30分には、向島をはじめ島影が見えはじめた小笠原諸島や野鳥などのレクチャーもある。
とはいえ、25時間を過ごすには少しもの足りない。10時に速やかに出港し、東京湾を走るあいだは携帯の電波も届くが、そこから先は「犯人はこの中にいる!」的な事件が起こりそうな完全なる密室。
激しくはないが揺れはあるため、本を読んだりパソコンを使うのは少し辛い。結果、寝る。周りを見渡しても、みんな寝ている。ふと目が覚めたら小腹がすいている。食べると眠くなる、寝る。また目が覚めるとビールを飲んでないことに気づく。飲むと眠くなる、寝る。何時間でも寝れてしまうのは、「おがさわら丸」の一番の不思議かもしれない。
⚫︎「おがさわら丸」船内スケジュール
10:00 出港
14:30 小笠原での過ごし方レクチャー
19:00ごろ デッキで夕日を見る(7月の場合)
21:00ごろ 晴れていれば太平洋の真ん中で満点の星空
22:00 デッキに出られる扉が閉鎖&消灯
9:30 デッキで島々や野鳥などのレクチャー
11:00 到着