父島から『ははじま丸』に乗って2時間10分。さらに南へ50km行くと現れる母島。
南北に細長い母島には、シュノーケリングスポットとして、北港、東港、蓬莱根海岸、南崎。展望スポットとして乳房山、小富士。スターウォッチングスポットとして、旧ヘリポートがあり、また父島と違う表情を見せてくれる。
母島に到着して本旅初めて雨に降られたが、2日目に乳房山トレッキングをすることに。
父島・母島の最高峰である乳房山(標高463m)には遊歩道がついており、時計回りのコースがオススメだという。入山してしばらく登るとまるで両手を広げて待っているかのような壮大なガジュマルの樹が対峙している。植物の生命力の強さを感じる大迫力。これだけ立派になるまでにどれだけの月日が必要だろう。そのガジュマルの樹はトンネル状になっており、幹の間を通ることができる。
神聖なパワーをもらって歩みを進めると、2時間弱で山頂に到着。山頂はこじんまりとしていて標識も分かりにくく休憩所と間違えてしまうかもしれない。この日は曇り空だったため景色もどんよりしているのが残念だったが、細長い母島の全形を望むことができる。
※乳房山の植物にはネームプレートが付いており、固有種も分かりやすい。
下山後は、蓬莱根海岸と南崎のビーチを通り、日本一南にある故郷富士・小富士を目指す。
都道最南端から蓬莱根、南崎、小富士までの道は、昨日の雨もありぬかるんだ山道と小さな沢に沿って歩く悪条件の道のり。蓬莱根海岸は、岩伝いに進むと現れる白い砂浜と珊瑚や魚も多いのでシュノーケリングに人気のよう。沖の岩場まで泳いで行けるようだが、潮が引いていないと危ないので、干潮時間をしっかり調べて行きましょう。
南崎と小富士までの道は分岐標識があるので分かりやすい道のりのはずだが、途中でスコールに降られたせいか、分岐を見逃し南崎より先に小富士へ到着。山頂の景色は小笠原最高峰の乳房山よりも絶景で、南崎のビーチや森、妹島や姪島もパノラマで見渡せる。
その後、南崎とワイビーチへ立寄り帰路へ向かうが、そこでもまた分岐を見逃し最初の蓬莱根海岸へ出てしまうアクシデント…もう笑うしかない。
山道でトレラン鬼ごっこをしてみたり、ガジュマルの樹に登ってみたり、童心に帰れる島。母島でシュノーケリングをするつもりでいたができず、蓬莱根の砂浜も行けなかったので、次回ぜひともチャレンジしたい。
ライター:高橋和香菜(わっち)
PHOTO:杉浦弘樹(すーじー)